「いいけど、大丈夫?私たち、下位層だけど……津田川さんは、」
「名字じゃなくて名前で呼んで欲しい!私はそんなに高くないよ、11位だもん」
真ん中だ。
「あっ、いっちーでもいいよ、友達にそう呼ばれてた!」
いっちー……
私がそう呼ぶのはなんか違和感。
明るい子だなぁ。
普通の教室であれば、ムードメーカーで人気者タイプなんだろう。
持っていた椅子に座って私たちを見る。
いちるが開いたお弁当は可愛らしいキャラ弁だった。
「なにこれ、いちるちゃん作ったの?」
「えっへへ……うん!」
「うわぁ、いちる超器用じゃん。可愛いこれ食べるのもったいない!」
「ありがとう香恋ちゃん!」
「私も呼び捨てでいいよ」
わかった、と可愛らしく笑った。
本人も可愛いし、持ってるものも可愛いし、お弁当までもが……
女子として私がいちるに勝てる要素皆無だ。
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