友達
「えーと、香恋ちゃん?よろしくー」
隣の男の子が声をかけてきた。
えーっと、松室だったよね?
なんていうか、まぁ。
チャラそうである。
「よろしく、松室」
「堅いねー陽那でいいよー」
あなたが軽すぎるのでは?
陽那ってかわいい名前だから女の子だと思ったら男の子でした。
5人しかいない横列。
陽那の更にとなりは金髪のギャル。
その隣も金髪のギャル男。
そして1番窓側……最下位の女の子は、前髪が長くて顔がよく見えない。
下から数えた方が早いよ、やばいよねーなんて陽那が椅子にもたれかかった。
突然がたんと前の方から音が立った。
「おめぇが俺よりも上だぁ?」
豊平だ。
2位に不満があるらしい。
冷静に座っている五十嵐を立って見下していた。
「紛れもない事実だからぁ、受け止めて落ち着くといい」
怯まず五十嵐はそう言った。
確かに間違ってはいないけれど喧嘩売りたいのかな。
1位も2位も大差ないだろと陽那が文句をこぼす。
「納得いかねぇなぁ今まで中間にいたお前がいきなりトップだァ?」
「納得がいかないなぁ見た目不良の君が2位なんてぇ」
「喧嘩売ってんのか?」
「いやなに、周りの代弁をしただけさ」
[1/15]
[*prev] [next#]
[mokuzi]
[しおりを挟む]