何も言えなくなった私は1人で馬鹿みたいに悪態をついて、ハンバーガーを租借した。
――次の日。
にっこりと仮面のような笑顔を浮かべた五十嵐が私の目の前に現れた。
「……言われなくても、分かってる」
「そーお? それは良かった。君にはいつも通りの点数を取ることを、期待してるぜ?」
はぁ、と何度目かも分からない溜め息を吐き出したくなった。
生徒も全員集まり、田中が現れる。
ホームルームが終わってすぐ、テストが配られた。
まずは国語。
現代文と古文。あまり得意ではないが、現代文はなんとなく直感で解いて、古文は知っている単語をもとにそれっぽく文章を読み解いて回答した。
次に数学。
微分と積分なんて苦手で分かりはしないのに、それを応用して難問にするもんだからこのテストを作った教師はドSだと思う。
最後に英語。
他の2つに比べたらできただろうか。すべて苦手と言えば苦手で、勉強なんて嫌いなのだから訳が分からない。
すべてのテストがあっという間に終わって、昼前にも関わらずお腹が鳴りそうなくらい空いていた。
「やぁ、できたぁ?」
当たり前のように、五十嵐がそんなことを言いながら現れる。
陽那は呆れたように眉をひそめた。
「嫌味かよ、1位が下位にそんなこと言いにくるなんて」
「そんなことない。あちらはどうも居心地が悪いんだァ。俺も仲間に入れてちょうだい?」
「ヤダネ」
けっ、と陽那が一蹴した。
いちるが苦く笑う。
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