「1位と仲良いって理由があれば、標的にされにくくなるじゃん」
「……友達作りを利点があるからってやるわけ?」
「違うの? じゃあ磯村さんは何でここにいるわけ?」

 そんな理由じゃない。
 確かにひかりちゃんと同じだ。
「利用」という点ではこの焼肉パーティーをいちると陽那の仲直りのために利用した。
 でも、でも。
 そんな利点のために五十嵐と仲良くしよう、だなんて考えてなかった。


「そんな理由で友達を作るなんて、おかしい」
「おかしいって、磯村のエゴを押し付けないでくれる?」

 ひかるくんが、冷めた表情を浮かべた。

「なぁ、五十嵐」
「……ん、あぁ、俺は別に構わないよ? 利用だろうと何だろうと。呉越同舟、利害のために協力することもあるだろうねぇ」

 へらり。五十嵐は笑う。
 こいつは、自分が利用されようと怒りすらしないのか。


「ただ、俺は君らに何か害があったとしても助けはしないよぉ?」
「いいよ別に。後ろ盾があるだけで結構違うもの」

 あぁ、こんな会話。
 こんな会話こんな会話こんな会話こんな会話。


 ……反吐が出る。


「……帰る」

 大きめに、言葉を吐き出して。
 私は出口に向かった。


「かっ、香恋ちゃ……」


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