「……双子と仲良いの?」
「仲良くなりたいとは思うけどね」
仲良くはないということか。
なのに来るの? 意外だなぁ。
話したことないし、いまいちキャラがわからないんだよね。
2人共物静かなイメージというか、冷めているというか……
「ごめん五十嵐くん、遅れて」
噂をすればなんとやらか。
豆本ひかりちゃんがひょこりと現れて、それに続くように豆本ひかるくんが現れた。
服装もボーイッシュに揃えていて、見た目が怖いくらいそっくりだ。
「別に遅れたっていいさ、時間に厳しい人間はいやしないんだからさぁ」
すい、と私の横を通り過ぎていく双子。
ぺこり、と他人行儀で礼をしていった。
……まぁ、他人っちゃ他人なんだけどさ。一応クラスメートなんだけど。
彼と彼女は早速皿を手に取って金網の前で構えていた。
お腹が空いていたのだろうか。
特に誰かと話そうとする気配もなく。
楽しもうという気配も、なく。
ではなぜ、豆本双子はここに来たのだろうか?
五十嵐が一応主催の規格であるわけだから、五十嵐と仲良くしようと思って来た……という感じなのだろうか。
あいつと仲良くしようとか、変な2人だ。
[2/7]
[*prev] [next#]
[mokuzi]
[しおりを挟む]