思案
じゅうじゅうと焼ける音が響く。
その美味しそうな肉の焼ける音と共に、快活なボブの声も耳によく届いた。
「美味しいネ!!」
有り得ないくらい口に肉を詰め込むボブ。太るんじゃないですかね。
一緒に楽しそうにヒロも肉を口に運んでいく。
「香恋食べないの?」
いちるが私の横にひょっこりと現れてそう告げた。
「食べるよ、ゆっくりと」
あそこまではがっつきません。
私の言葉にいちるが「腹が減っては戦はできぬ!」と陽那の方へと走っていった。
戦争でもするんですか?
「あらら、意外と少食なのかな、香恋ちゃん」
にこにこと相変わらず張り付いた笑顔を向けてくる五十嵐が近付いてきた。
意外とってなんだ。この野郎。
「別に。あんたは似合ってる通り少食なのね」
「そうかい? 俺はいつもはもっと食べるけれど。今日はまだメンバーが揃ってないからね」
あぁ、そうだ。
あとは豆本双子さんがくるはずなのだ。
遅れてきているみたいだけど、何かあったのだろうか。
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