あぁぁ、またヒロが連れていかれた。息切らしてるじゃないか、やめてあげてよ。
教室では静かだけど、自由な場所では自由なんだなぁ、ボブ。
教室でもああやってくれれば少しは雰囲気が良く……ならないな。あの教室では何やっても駄目だわ。
「ボブは元気だねぇ」
そう言いながら五十嵐が野菜を適当に放り込んでいく。
てか私なんでこいつと一緒にいるんだよ。
買い物をさくっと……さくっと? 終わらせた。袋いっぱいの肉と野菜が重々しい。
私は持っていないけれど。女子だからって優しくされました。
「ネェ! あそこの神社でお祭りやってるッテ! 行こうヨ!」
ボブがキラキラした目で私たちを見る。
「私は帰っ」
「じゃあ行こうかぁ、でもまず肉おいてこないとねぇ」
「僕も運ぶよ……!」
ヒロ、仲良くなってるし。いや、いいことなんだろうけど。
私を無視して話を進めないでくださる……!?
ボブの家は学校から少し遠いマンション。
留学してきてあんなクラスに入ってしまったなんて可哀相だな。日本人でも可哀相だというのに。
冷蔵庫に適当に肉やら野菜やらを詰め込んで、すぐさま玄関へ移動してくる。
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