遊日
 校長の退屈な話にあくびを漏らす。
 休暇中は事故に気をつけて、なんてありきたりな文字列を並べてぐだぐだえーえーと喋り腐る。

 貧血になって倒れる人もいそうだなぁ、なんて。


「はぁあ、終わった」


終業式が終わり、体育館から教室に戻るなり陽那が眠たげに呟いた。
 後は担任の話を聞くホームルームが終われば夏休みだ。

 黒板の目の前に立った田中がにこにこと気持ち悪いほどの笑顔を私たち生徒に向けている。


「夏休みは気を付けて生活を送るように……遊びすぎて成績を落とすなど、しないようにね」


 そう、それだけを告げて解散するように促した。
 夏休みの間も勉強漬けになれというのか。
 受験生でもあるまいし、そんなつまらない時間を過ごしてたまるか。馬鹿野郎。


 ひょこひょこいちるが近付いてきて楽しそうに笑う。



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