「もう1度」と言われる度。
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も。
いちるの涙と陽那の血がぐっちゃに混ざっていく。
聞きなれた重々しいチャイムが聞こえる。
50分の悪夢の終了を、告げた。
「すげぇわぁ松室ぉ! 尊敬もんだわ!」
陽那は、結局気を失うまで悲鳴を一切あげなかった。
わざとらしく快活な声で豊平が高らかにそう言った。
そいつはいちるを見て見下すように笑う。
「津田川も怖ぇなぁ、こーんなんになるまでやるとか異常だわ。あっ、これが『ヤンデレ』とかいうやつぅ?」
やらせたのはお前のくせに。
「いい加減にしろ……!」
[16/17]
[*prev] [next#]
[mokuzi]
[しおりを挟む]