「もう1度」と言われる度。
 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も。



 いちるの涙と陽那の血がぐっちゃに混ざっていく。




 聞きなれた重々しいチャイムが聞こえる。

 50分の悪夢の終了を、告げた。



「すげぇわぁ松室ぉ! 尊敬もんだわ!」



 陽那は、結局気を失うまで悲鳴を一切あげなかった。

 わざとらしく快活な声で豊平が高らかにそう言った。
 そいつはいちるを見て見下すように笑う。



「津田川も怖ぇなぁ、こーんなんになるまでやるとか異常だわ。あっ、これが『ヤンデレ』とかいうやつぅ?」


 やらせたのはお前のくせに。



「いい加減にしろ……!」



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