バ可愛い人ばかり?2
さぁて、今日から学校だ!
男子ばかりで癒しがない学校だけど頑張ろう!!
当然のようにくっついてくる会長を半ばスルーしながら学校へと向かう。
私はA組って言われた、昨日晴信さんに。
会長を引き剥がしてA組に入る。
驚いたような顔でクラスにいる人たちが見てくる。
「君が桃瀬ちゃん?」
軽そうな男が近付いてくる……うるさいなぁ。
昨日、一気に噂でも広がったのだろうか?
『……はい』
「わー!学校唯一のオアシスが我がクラスに!」
ねーねーみんなすごくない!?とかいってみんなの方を見るとみんなが騒ぎ始める。
……うるさい。
オアシスって何?
「あ、1つ言っとくけど!クラスのみんな手を出すつもりはないからね!」
『出してこようとしたら急所を突きますから』
怖いといって目の前の軽男が笑う。
「会長の彼女さんでしょー?手出したら後が怖そうだよね」
……は?
『会長の彼女?』
「そうでしょ?寮の人たちが噂してたよー。昨日寮内でやたらイチャイチャしてたって」
イチャイチャ……?
あ!会長が抱きついてきたり腰に手回してきたアレ!?一方的に!!
勘違いでしょそれ!!
『ちがっ、』
「照れなくてもいいからー」
話を聞け軽男!!
「お前ら朝から何騒いでんだぁ?」
入口の方から聞こえた声にみんな一斉に振り返る。
あ、担任の先生かな?
若くもなく、老けてもいない。
……中途半端だ!!
「お。桃瀬来てたかー。俺は担任の岩倉だ、よろしくな」
『はい』
「ほらお前ら座れ!桃瀬の自己紹介が始まるぞー」
……え、面倒くさい。
『私は、桃瀬妃代です。平和に過ごしたいので私のことは放っておいてください以上です』
そういうと場の空気が凍った。
それを無視して指示された席へと向かおうとした。
その瞬間。
ドアが勢い良く開いた。
「ッセーフ!?」
「ギリ遅刻だな。残念だったな青峰」
そこにいたのは、青峰さん。
……3年生かと思ってたら
同い年!?
嘘だー。年上にしか見えなーい。
「岩倉オマケ!ギリならオマケしてくれっ!」
息を整えながら先生に必死に懇願する彼と目が合った。
「……ひよこ同じクラスか!!」
『ひよことか言わないでください青峰さん』
無遠慮に近づいてきた彼は私の頭を乱暴に撫でながら笑う。
「同じ年なんだからタメ口でいいだろーが!あと、蓮ってよべ、蓮!!」
うわ、朝からテンション高いなこの人。
昨日のテンション少し低めだった貴方はどこへ行ったのですか?
見た目とのギャップやばいね。
「あれー蓮ちゃん知り合い?」
さっきの軽男がケタケタ笑いながら青峰……いや、蓮でいいか。そっちのほうが呼ぶの楽だ、短くて。
みんな短い方で呼ぼう、楽だから。
まぁ、蓮を見ながら言った。
「おー」
さっきの凍った雰囲気がなかったかのように時間が進んでいく。
「よし、お前ら1時間目やるから仲良くなってろ」
そう言って岩倉先生は教室から出て行った。
その瞬間にクラスの人たちが私たちの周りに集まってきた。
さっきの軽男が私の手をギュッと握って笑いかけてきた。
「俺の名前は御門壮介【みかど そうすけ】!よろしくね妃代ちゃん!」
軽男……もとい、御門くんが声をかけてきたのをきっかけとなったのか
次々と自己紹介をしていく男たち。
あぁもう、そんな一気にこられても覚えらんないから!!
『……ていうか私放っておいてって言ったじゃん!』
「いやー。それを聞いたとき、あれ?嫌な子?とか思ったけどさー。蓮ちゃんと仲良いってことは根は良い子ってことだし!」
それなら仲良くしていきたいよねぇ、と御門くん。
その言葉にクラスの人たちが頷く。
意味わかんない。
蓮の信頼度がすごいってこと?
「蓮ちゃーん。手ぇ出したらダメだよー?妃代ちゃん会長の彼女だからねー」
蓮が「は?」といってこちらを見てくる。
「は?」ってこっちが「は?」って感じなんですけど。
こいつら人の話聞かないんですけど。
『だから、私は付き合ってないって言ってるの!』
「馬鹿かお前ら、ひよこは俺の婚約者だからな!!」
『あーもう!だからもう断ったって言ってんでしょ、馬鹿なの!?バ可愛い狙ってんの!?』
蓮バ可愛いんだけどさ!!
「なんだよバ可愛いって!」
『バカで可愛いってことだよ!』
見た目じゃないよ、内面だよ!
蓮見た目はヤのつく職業の方々顔負けだからね!
いや、よく見たらカッコいいんだけどね!
「悪いけど……俺ら話ついていけてない」
そういって私たちを遮ったのは
えぇとさっきさりげなく自己紹介してたよね……
あぁ、そう。
園田陽【そのだ よう】くんだ。
蓮があぁ、といって周りを見渡した。
「ひよこに婚約者候補3人いてよー。俺そんなかの1人」
ざっくりまとめたねこの人。
私は参加する気ないからね!
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