ただ、ちょびっと。
ほんのちょっとだけ、気になっただけなんだ。
彼女は太陽のようで。
珠希に似ていて。
優しくて。
好きという感情ではないよ。
そう自分に言い聞かせる。
他の男と仲良くしたり。
それを見てけっしていい気分ではいられないけど。
でも、エリートで激戦区へとかり出されて、いつも怪我をしてくる君をみて思うんだ。
また、あの時みたいに好きな人を失ったらどうしようか。
そんな傷を負うのなら、俺はもう好きな人なんていらない。欲しくない。
俺は弱虫だから。
大切な人なんて、傷付くならいらないよ。
床に座ってリヤンにすり寄って見れば嬉しそうにワンと鳴いた。
傷付くならいらない