使えない道具になり果てたはずなのに。
死にかけていたはずなのに。

何故か生きていて。



ひとりじゃ動けなくなって邪魔な存在なのに何故かそばに誰かがいてくれて。


死にたいと言えば怒って。
生きたいと言えば微笑んでくれて。

好きだとか愛してるだとか恋愛のないそれを伝えれば「私もです」「俺もだよ」なんて返してくれて。




大切な存在を奪った俺を殺したくないのかなんて問いかけて見たことがある。

「冗談でもそういうこと言わないでください」と彼女は泣きながら怒った。
「殺してほしいなら殺してあげる。だから俺以外に殺されないで」と彼は殺意もなく優しく微笑んだ。


愛は感謝してもしきれない俺の方がおまえ達に向けるべきはずでしょ。
お前らが俺に向けている愛よりも何倍も何十倍も何百倍もそれよりももっと俺がお前らに向けてる愛の方が大きいはずなの。いっぱいあるはずなの。


俺、怖いよ。
お前らに愛されていることが怖い。

人の幸せを奪っていたくせに幸せになろうとしてるみたいだもん。
なれるはずないのになれるみたいだろ。

お前らの愛が使い切られた時に見捨てられたら俺生きてけねぇだろ。
お前らがいないと俺が生きてけないなんてなさけないけれど。


だから怖いの。
今幸せでいる分、後が怖い。
幸せが怖い。


愛は消耗品なんだろ。
お前らの愛は、いつ尽きてしまうの?




愛は消耗品






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