朝、目が覚めると
スーツを着たイケメンが立ってました。
「あぁ、真琴おはよ」
「えーちゃんスーツだ!カッコイィ!」
「朝から元気だな。仕事行ってくる、午後は休み取ったから、出掛けるか」
お仕事か。
私はまだ大学が始まってないから休みだ。
スーツが中々様になっている。
午後はデート!
そのことに心を躍らせた。
えーちゃんについていくように玄関に向かった。
「いってきます」
「いってらっしゃい!」
そのまま出ようとするえーちゃんにストップをかける。
はいはいはい。
ちょっと待って。
「ねぇ、何かあるでしょ」
「何か?」
「夫婦のアレだよ!」
「結婚してないけどね……何?」
首を傾けるえーちゃん。
スーツ着てるくせに可愛く見える。
ほら、あれですよ。
いってらっしゃいの○○。
いってきますの○○。
唇同士をくっつけるあれだよ。
ベタな展開のやつ、やってみたいんだよね!
というかただ単にキスしたいだけだったりする。
あ、言っちゃった。
思いついたようにえーちゃんは手をのばした。
その手は、私の頭の上に。
ぐしゃぐしゃと頭を撫でられる。
「真琴、いってきます」
思わず顔を緩めると、正解だと思ったのかえーちゃんはそのまま出て行った。
あぁ待って。
まだ終わってない!
─朝の儀式─
(嬉しいけどなでなでは違う!)
(「いってらっしゃい」があるのはいいな)
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