我が儘だったんだ。 俺の我が儘。 マツバの側にいたい。 死ぬのはわかってた、だから、せめて、最期まで。 俺の最期を看取って欲しいなぁなんて、思ってたんだけど。 そうしたら、どうかな。君は泣くかな、泣かないんだろうな。君は強がりだから。 君を愛せないなら。 君を、傷つけてしまうのなら。 そんな俺、なら。 いっそのこと死んでしまった方が幸せかもしれないね。 どうせなら、君を愛する資格が欲しかったな。 君を愛しても周りから忌みがられない体が欲しかった。 神様、神様、あなたはなんて酷いお人なのでしょう。 俺に彼女を愛する権利すら奪い取ってそれから一度も与えてくれなかったなんて。 「……ごめんね、マツバ、ごめん。 ──愛してたよ」 これは権利もないのに愛してしまった俺への罰なのでしょうか。 <next story> ← → back |