マツバの言葉に、少年は俯く。
大好きな姉が。
もし、もしも。
自分を恨んでいなかったのならば。
自分を、愛してくれていたというのならば。
それだけで僕は、幸せだったのかもしれない。
「……っで……なんで、あなたは、忌み子なんかと一緒にいるんですか?」
少年がマツバを見て呟いた。
何かを求めるような視線に、目を逸らす。
「一緒にいたいから」
ただそれだけで、よかったんだ。
「俺たちね、病気を治す方法を探してるんだ。
君も病気を治したいでしょ。
だから、だからさ。一緒に行こうよ!」
──名前は?
女の問いかけに少年は、
「──リオ」
彼女らの前で初めて、笑った。
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