3-3:タイムマシーンを探せside裕太[ 5/11 ]
『あ。なんなら、唇でもいいですよ』
誰がするか! 恥ずかしい! このムッツリ会長が!!
「……」
ほら……天野さんも嫌がってるし。
クラスでは、仲良いけど……それは友達としてでしょ?
天野さん純情そうだしさ?
頬でも嫌じゃない?
『お姫様と王子様のキスって王道じゃないですか』
それだったら普通王子様からじゃない?
眠っているお姫様にキスするんじゃないの?
……どうでもいいけど。
天野さんはガチガチでしそうにないし。
でもこの視線地獄は嫌だ……しょうがないっ!
僕が天野さんの頬に軽くキスをした。
は……恥ずかしいぃっ!!
人の目線って怖い!
僕は一気にステージを降り、体育館を出た……天野さんを引っ張って。
会長の『ありがとうございましたー』とか冷やかしとか歓声とかなんかいろいろ聞こえたけど……
「うわぁぁぁあー!」
体育館と違って、廊下はとても静まりかえっていた。
僕は勢いよくしゃがみこむ。