3-3:タイムマシーンを探せside裕太[ 4/11 ]



 平川はマイクを手に取った。そして……



『すんませーん。溝渕今不在なんですけどー』



 会長に、それどころか全校生徒にこう告げた。




『そうですかぁ……じゃあ、準ミスターに出てきてもらいましょう! 今回票がこのクラスに集中してますねー1年5組! 中井裕太くん!』




 華ちゃん……何処行ったんだろう。
 ま、まさか玲ちんに襲われてたり!?
 やばいよ。どうしよう!


 早く探さなきゃだよ!



『中井くーん。中井くんもいないんですかー?』
「おい、裕太。呼ばれてんぞ」

「……へっ?」
「中井、準ミスター。早く行ったらどうだ」



 智ちんに押されてステージの方に行く。
 ステージに上がると、全校生徒の視線。


 え? え?
 どうしてこうなった。

 あわわわ……怖いよー!
 大勢の視線集中は苦手だ!


 よ、よく天野さん平然と……



 そう思って、天野さんの顔を見る。
 ……大丈夫そうじゃないよ! 緊張で顔が真っ赤だよ!! いつもの柔らかい表情もガチガチだ!

 天野さんこういうの苦手そうだもんね。




『さぁさぁ! 今年の姫と王子! どっちも可愛いですねー』



 どうでもいいから早く僕らをここから……視線の地獄から解放しろ!!
 この生徒会長め!



『そんなわけで、お姫様から王子様に頬にキスしてもらいましょう!』
「「え?」」


 驚きのあまり、見事に天野さんと声がハモる。




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