3-3:タイムマシーンを探せside裕太[ 3/11 ]
声は会長の声でかき消され、智ちんに聞こうとすることすら許されず。
『1年5組! 天野由美さんっ! ステージにどうぞ!』
「……あ、天野さんだ」
クラス1可愛いってみんな言ってるけど……学校1か。
すごいねぇ……
みんなの声援の中、照れながら天野さんはステージに立っていた。
『そして、ミスター逢坂!』
……あれ?
華ちゃんだけじゃなくて……
「いないんだけど」
「誰がだ?」
『またまた1年5組! 溝渕玲くん! さぁ、ステージに!』
「……そのミスター逢坂が」
辺りを見渡してもいないし、ステージにも上がってこない。
……ここにはいない。
玲ちんは体育館以外の、どこかにいるのか、帰ったのか。
『あれ? 溝渕くん??』
あーあ、会長さん困ってるよ。
まったく、玲ちんはどこでもトラブルメーカーになれる素質を持ってるんじゃないかな!
「裕太、どうした?」
不思議そうな顔で平川が問いかけてくる。
「玲ちんいないよ」
「あー、まぁたサボりかよ!!あいつは……」
幼馴染兼担任も大変だね。
『溝渕くん?』