3-2:そばにいる[ 13/18 ]
見ても何も面白くないよ。
「いまから3人で回ってきますね」
ニコニコと笑う由美。
「おー、いってらっしゃい」
「先生担任だからクラスに貢献してよね! たっくさん買っていって!」
「いきなりたからないで!!」
まぁ、入ったらどっちにしろたかられますけどね。
クラスメート、特に裕太あたりに。
智くんとかは頼んでもいないもの運んできそうだね。
教室から2人と一緒に離れていく。
さぁて、どこをまわろうか。
「まずはさ、ミスター&ミス逢坂やっちゃおうよ」
「うん、そうだね」
私たちは投票箱のある方に向かった。
「誰に入れればいいんだろーか」
「……うーん」
ちなと2人で悩んでいるのに、由美はスラスラと紙に書いた。
「由美、早いね。誰にしたの?」
「えっ、とね……」
由美は顔を赤くした。
わぁ、恋する乙女?
好きな人いるのか。というか彼氏いてもおかしくないよね!
「聞かなくてもミスターはわかるよー?」
ちなはにやにやとあやしく笑う。
嘘、ちなは知ってるの?
私知らない。