他校の男の人が2人ほど。



「……ご注文は、お決まりですか？」



　決まり文句をもう一度繰り返す。




「ねぇねぇ、一緒に学祭まわらない？」



　人の話をちゃんと聞け！



「……クラスの出し物の、仕事があるので」
「終わってからでも遊ぼうよー」



　しつこいな！
　笑顔、笑顔、笑顔……！


　無理に笑顔を作っている間、1人が突然私の足を触ってくる。
　ここはそういう変なお店ではありません。



「……きゃ」




　この変態が！
　思わず蹴りそうになったとき後ろの方に力強く引っ張られ、抱き寄せられる。

　頭がぽふりと誰かの胸辺りにぶつかった。


　大きな、暖かい手……誰？




「……お客様、ご注文が決まりましたらお呼びください」



　この声は、毎日聞いている声だ。
　容姿に劣らない低すぎない綺麗な声。

　テンションが低いのか、普段よりは低めになっているけれど。





　……玲？