3-2:そばにいる[ 3/18 ]
「……そっか」
やっぱそういう反応しちゃいますか。
「ごめん、参考にならないって私でもわかる」
というかまず今あげていった食事が喫茶で出すメニューという感じではないことが問題ですけどね。
それから、みんなで話し合ってメニューをいくつか決めた。
男子は男子でメニューを決め、あとで委員長達で話し合うらしい。
次の日から学祭の準備が本格的にスタートした。
「華! パフェどういう風にするかできた?」
「うん、これでどうかな?」
試しに作ってみたパフェをちなに見せてみる。
「わぁ、美味しそう! 華料理上手だね!」
良かった、これで大丈夫そうだ。
決定したメニューに必要な材料を調べ、買ってきて、さっそく試作品作り。
私はパフェを任されて、数人のクラスメートとどうすれば見栄えがいいか話し合いつつ作った。
私センスはないものだから……みんなが考えたとおりに作る係。
ちゃんとみんなのイメージに近づけて作れているみたいで安心した。
「ねぇ、食べていい? 食べていい?」
メニュー作成中、ここにいるはずのない人物がひょっこりと現れた。
「……裕太、何してるの?」
接客の人は衣装作成のはず。
「うんとね、中井はやらなくていい! って言われた」
えへへ。と照れくさそうに笑う。
何故照れくさそうなの?
それね、みんなが優しいとかじゃないんだよ?
裁縫下手な裕太を追い出したんだよ!?
家庭分野全くだめなんだね……
料理だけでなく裁縫もだめだったか。