3-2:そばにいる[ 2/18 ]
あ、由美料理できないんだ……意外。
いや、でもほわんとしたところあるからなぁ、由美。
料理ができない人は意外と少なかった。
「うーん。半分に分けるんだよなぁ……接客でもいい人いるー?」
手を挙げて、というように千夏ちゃんは手を挙げる。
何人か手を挙げる。
私はメイドとかそういうフリフリした服似合わないからね。
「まだ足りないよねぇ。あと少し……ジャンケンで決めればいいか!」
結局残りの役割はジャンケンで決め、私は裏方になった。
「裏方の人はメニュー決めます! 接客の人は服は予算的に作ることになるから、デザイン決めよう! 執事のほうも!」
動きがテキパキしてるなぁ……尊敬。
私もしっかりと動けるようになりたいなぁ。
「さぁ、こっちはメニュー決めるよ。何がいい?」
千夏ちゃんは裏方、私と同じだ。
みんな楽しそうに話し合う。
こういう、メニューとか決めるのってみんなでやれば楽しいものだよね。
……寮でもみんなで決めるようにしようかなぁ。
でもそうしたら
「ハンバーグっ!」
「オムライス」
「……あるものでいいぞ」
「甘い物!」
……こうなるということは目に見えているのです。
とにかく、うん、初めての学祭だから成功させなきゃね!!
「華ちゃん!」
「はいっ!?」
突然呼びかけられ、変な返事になる。
ちょっと声が上擦ってしまって恥ずかしい。
「てか華って呼んでもいい? 話せて嬉しいわぁ、いつも中井とか溝渕と話してて話しかけづらかったんだよね」
それは……ごめんなさい。
「うん! いいよ! 千夏ちゃんは……ちなって呼んで良い?」
クラスの人にそう呼ばれていることは結構前から知っている。
今も「ちな」って呼ばれいろんな人と会話をしていた。
「いいよっ! それで、華って寮で料理作ってそうだね」
「作ってるよ」
それがどうしたんだろう?
「だから、男の人が喜ぶメニューわからない?」
「あぁ……えっとね、甘い物と、オムライス、ハンバーグ」
みんなの好物を端から上げていく。
あー……あまり参考にならないね。