3-1:お買い物をしましょう[ 1/11 ]
学校が休みの土曜日のある日。
「……よしっ」
目覚ましの音で目を覚まし、いつも通り朝ご飯を作る。
あ、朝ご飯は私が作るのが習慣となりました。まぁ、料理は好きなので良いってことで!
……さぁて、みなさんを起こしに行きますかっ!
順番に行こう。
まず、1号室。賢ちゃんの部屋。
とりあえずノックをしてみる。
……反応なし。
休みとなるとみんな昼まで寝るんだよね……
鍵がかかってないことを確認し、部屋に侵入。
私ぐらいだけどね、部屋の鍵使ってるの!
「賢ちゃんー起きてー!」
やっぱり声かけるだけはダメか……!
「け・ん・ちゃ・ん! おーきーてー!」
私は賢ちゃんを思いきり揺さぶる。
「んー……? 休みなんだから、もう少し……ぐぅ」
「ごはん冷めててもいいんだね。あと、めいっぱい辛くしてやる」
賢ちゃんは甘党だから辛いの苦手そう!
そういうと、賢ちゃんはちょっと嫌そうな顔をして上半身を起こした。
「起きる、起きます。だから辛いのはやめて」
あ、やっぱり辛いの苦手なんだ。
「うん。えらいえらい」
「……最近上目線になってきたね。でも、あれだな。わざわざ起こしに来てくれるとかまるで新婚……いでっ!?」
ペシッと賢ちゃんの頭を叩く。
「おもしろくない。賢ちゃん、味噌汁抜きね」
みんなの朝食は私の機嫌によって変化します。
私の絶対政権、やったね!
「え、まじで!? ごめんって! ん? てか、面白かったらいいわけ?」
「どうでもいいから、早く着替えなよ……」
寮生活に慣れるにつれて変態と化してきた賢ちゃんを置いて、次行こうか……変態と言うよりは、お馬鹿さん?
えぇーと、2号室は玲だね。
……どうしようか。とっても入りたくない。
でも……今日は大切な日なんだ! 起きてもらわなきゃ困る!
覚悟を決めて、ドアを開ける。