2-2:雨嫌いsideK[ 6/9 ]

 恐る恐る入ってくる、華。


「……何やってるの?」


 華が驚いたのは、恐らく。
「てか、いつになったら離してくれんのかな? 玲」
 首がしまってるよ。そろそろ俺意識が飛びそうだよ……

「あ、忘れてた」

 忘れんなよ! 死ぬよ!
 ぱっと手が離れる。あぁ、苦しかった。


「どうした?」
「部屋に行ったっきり2人共戻ってこないから……どうしたのかなって思って」
「ごめんごめん。あ、食べかけのオムライス!!」
「あ、それなら裕太が食べちゃった」


 何!? 俺の、オムライスさんが……


「オムライス?」
「うん。今日はオムライスだよ! ……あ、いらないん、だっけ」


 しょぼん、となる華。

 うわぁぁあ泣くんじゃありません。
 泣かないだろうけど。撫でたい。

 ……俺の分どっかのおちびちゃんに食べられちゃったわけだし?


「俺がその分喜んで食べ……」
「食うよ」


 ……はぁ?


「食う」



 俺の顔を見て再び言葉を口にする。


「本当っ!? じ、じゃあ温めてくるね!」

 華は嬉しそうにパタパタと走って行った。


「……お前、自分の好物だから」
「いや? 別に。お前が悲しませるな、って言ったから」



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