2-2:雨嫌いsideK[ 4/9 ]

「あー、結論は……お前、華だけは泣かせるんじゃねぇよ」


 こいつならその内泣かせかねない。
 そういうと、玲は馬鹿にしたような顔で笑う。


「はぁ? 何で俺があいつを?」
「うーん、お前女泣かせだから?」


 てか、もう悲しませたし。
 ついさっき。

 こいつ、気付いてねぇよなぁさすがに。



「あいつは興味ねぇし……お前と違って」



 玲は怪しげに笑う。
 こいつ……気付いてる。


「えぇーと……玲。お前鬱状態じゃなかった? さっきまで」
「気のせいじゃねぇ?」


 こいつ、復活しやがったぁぁあ!! 今だけ鬱になってろ!


「お前は好きなんだもんな? 華チャンの事」
「……」


 何故ばれた。


「見てりゃわかる。俺をなめんな」
「心を読むな」
「読めるわけねぇだろ。モロ顔に出てんだよ、お前の場合、全部よ」


 ……玲の洞察力に拍手。
 まぁ好きといっても玲の言っている「好き」とは、違うと思う。なんていうか妹みたいな、娘みたいな。

 ……守りたいと思わせる、存在。


 玲は少し黙り込んで。

「まぁ、お前の場合はあの女が好きだっつうか――……」

 そこまで言って、言うのをやめる。


「なんだよ?」




prev next
しおりを挟む
back
第4回BLove小説・漫画コンテスト応募作品募集中!
テーマ「推しとの恋」
- ナノ -