4-4:彼女への伝達方法は[ 4/10 ]



「はーな? そろそろ時間でっすけどー?」


 はっと意識を戻すと、嬉しそうな賢ちゃんがいた。


「賢ちゃん……あのさ」


 賢ちゃんに聞こうとして言葉を止める。
 ここで聞けば、わかるだろう。
 教師だし……なにかしら知っているかもしれない。


 けど、それで賢ちゃんは思い出してしまう。
 もう、あんな切ない顔は見たくない。


「んー? どうした?」
「……何でもない! 早く行こう!」
「おう! ケーキ全種類制覇すっぞぉ!!」


 今度、綾子さんに聞いてみようかな……




 私達は集合場所に向かった。
 集合時間になると、結構な人数が集まる。

 みんな、楽しそうにケーキバイキングの店へと歩いていく。
 店につくと、人数の多さに他のお客さんやウエイターさんが驚いていた。
 予約はちゃんと取っていたらしく、賢ちゃんが学校名を言うとウエイターさんは納得したように席を案内してくれた。

 私と同じテーブルの席に座ったのは由美、ちな、順平、それに寮のみんな。
 クラス全員仲良い同士で固まって、楽しそうに話しながらケーキを食べる。


「おっ! 華、このケーキ美味しいぞ、ほらっ!」
「あ、本当だ! 私も次取ってこようかな!」


 順平とは気が合うみたいだ。よく話すようになってから気が付いた。
 2人ではしゃいでると、玲に「華」と呼びかけられる。


「何? あれ、玲ケーキ食べないの?」



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