4-4:彼女への伝達方法は[ 2/10 ]
「華は?」
「え?」
突然智くんに話しかけられ、思わず間抜けな声を漏らす。
「行くのか?」
「あ、うん! 行く!! 由美もちなも行くと思うし。今度ケーキバイキング行こうねー、とか話してたから丁度いいかなぁ」
本当、偶然だよなぁ……ありがたい。
綾子さん、わざわざありがとうございます。
今日の夜は、賢ちゃんが異常に嬉しそうにしていて、3人に「うるさい」と溜め息をつかれていた。
翌日、晴天。
まぁケーキバイキングだし天気は関係ないけれど。
驚くことに賢ちゃんは私よりも早く起きていた。珍しく。
爽やかに「おはよう!!」と言ってきた。
……どれだけ楽しみにしてるんですか貴方は!! 子供ですか!
賢ちゃんのそういう純粋な所可愛すぎるよっ!!
いつものごとく他の2人は爆睡。
智くんは眠そうにリビングに来た。
智くんがこの時間まで寝てたのは珍しい。
さぁ、準備の時間もあるしそろそろ起こそうかな。
「起きてー。玲」
ドアを開けると、いつも通り爆睡の玲。
いつも通り、平和な日常。
最近ようやっと手に入れた、幸せな……日常。
「幸せ、だなぁ……」
ふわりと寝ている玲の柔らかい髪を撫でる。
なんとなく、撫でてみた。
「そうだな」
髪を撫でていた手を掴まれたかと思うと、即座に手を引っ張られ、ベッドの中へ。
なんか、デジャヴ!! 起きてたの!?
力強く、抱きしめられて。
「は、離れてっ!!」