4-2:俺はお前が、[ 2/8 ]
賢ちゃん、それ前も言ってなかったっけ?
ちなは賢ちゃんに「高校生の娘できるほどの歳だったんだ」と言った。
大丈夫、まだ賢ちゃんは若いから。ぎりぎり20代前半だったような気がするから。
「行ってくれば?」
「へ?」
玲が笑顔で言う。
「華さぁ、そんなお誘い滅多にないんだからさー。俺たちと違ってモテないんだから、チャンスじゃねぇの?」
さらりと酷いことを言ったな。
「あー、行く! 行きますとも! どうせ玲みたいにモテませんよーだ! 川谷くん、明日行く! 誘ってくれてありがとう!」
「本当? 良かった」
川谷くんがニコリと笑う。
あぁ、明日が楽しみだな!!
玲なんてもう知らないんだから!!
「おはようっ、良い天気で良かったよな!」
待ち合わせ場所は、にこにこ遊園地。
なんか子供向けっぽい名前のわりにはすごく怖いアトラクションが怖いという恐ろしい場所だ。
子供や苦手な人が名前に騙されて入ってしまったら……楽しめずに帰るか、泣き叫んで帰るか、コーヒーカップとか本当に数少ない怖くないアトラクションで遊ぶか……じゃないだろうか。
そんな遊園地の前で笑顔を浮かべて立っている川谷くん。
純粋そうで何もかもがいっぱいいっぱいな感じだ。新鮮だ……癒される。
「おはようっ!川谷くん」
「そういえば、加賀って絶叫系大丈夫か……? 聞かずに誘っちゃったけど」
「うん、絶叫系好きだから!」
そういうと「良かった」と笑顔で言う。
私達は遊園地の中に入った。
それから、絶叫系を片っ端から乗っていく。
休みの日にあの4人(ていうか智くんを除いた3人)から解放されるのはたまにはいいかもしれない。
……4人といるのも楽しいけども。
「連続で乗りすぎた……」
片っ端から休まずに挑戦していったので少し疲れたみたいだ。
「大丈夫? 川谷くん。はい、お茶」
「ありがとう……あ」