4-1:自意識過剰女[ 3/6 ]
「あれっ、何やってるの?」
目の前には裕太と智くんの姿。
大量のお菓子を持ってるところからして家庭科室に遊びに行ってたな。
智くんは委員会っぽい。
さっき偶然会いました、って感じかな。
「今から告白現場見に行くんだけど行く?」
「わぁ、何とも楽しそうな企画。参加しましょー! 智ちんも行くよ!」
「帰りたい」
智くんも無理矢理引きずられる。
玲だったら屋上だろうというみんなの勝手な予想で屋上へ。
みんなの予想通り、玲は屋上にいた。わかりやすい奴だ。
しかも寝ている……寮に帰って寝ればいいのに。
「よし、隠れようか」
ちなの言葉で、みんなあちら側からは見えないであろう場所に隠れる……仕方ない。そう思って、私も一緒に隠れる。
隠れてから数分後……菜々ちゃんは屋上へ来た。
探してたんだろうか。中々時間が掛かったな、私達よりも先に教室を出たというのに。
菜々ちゃんは玲を起こす。玲は起こされて眠そうに目を擦っていた。
あ、不機嫌な顔。
「……誰だ? お前」
「同じクラスの、倉田菜々」
まず同じクラスの人を覚えてないと来たか。もう大分経ってますけどこのクラスで過ごして。私よりも先にいたじゃないですか。
クラスメートに興味を持とうか少しくらい!
「同じクラス……女子の話し合いは終わったのか? 待ってたんだけど」
「まだ。私は途中で抜けてきたの……あなたに告白するために」
「……ふぅん?」
菜々ちゃんは玲に近付く。
「ねぇ溝渕くん。私と、付き合わない?」
裕太が小さな声で話し始める。
「倉田さんってさ、自分に自信がある感じだね。うへぇ、僕の苦手なターイープー」
「菜々っち、確かに可愛いけどちょっとそういうところあるんだよねぇ」
智くんが「静かにした方が良いんじゃないか」と言ったのでみんな静かになる。
帰りたいけど出口のドアを通ろうとすると2人に見られるから無理だ。
早く話終えてどこかに行ってくれないかなぁ……