4-1:自意識過剰女[ 2/6 ]
学祭のときのミスで2位だった、倉田菜々ちゃんだ。
「んー。どうせ付き合うなら、格好良くて、慣れてる人の方がいいじゃない?」
菜々ちゃんはフワリ、と笑う。
由美が可愛い守ってあげたくなるタイプで、菜々ちゃんは綺麗なお姉さんタイプだ。
……玲が好きそうなタイプだな。いや知らないけど、たぶん。玲は可愛い子よりも綺麗な人が好きそうなイメージ。
裕太は年上かな? 智くんはわからない。
賢ちゃんは……「小百合さん」……だよね。
他の人たちが菜々ちゃんに向かって「告白しちゃえ」と言う。
「そう、しちゃおうかな?」
そういって、教室を出て行った。
他の人たちは「頑張れ」といいつつ雑談を再開する。
行動早いな……
玲、まだ残ってるかな? 帰ったんじゃないだろうか、彼も帰宅部だし。
「うはぁ、行っちゃった。どうかなぁ、菜々っち性格が少し悪いからなぁ……」
ちながこっそりと言う。はっきり言ったねぇ。
「大丈夫なんじゃない? 来る者拒まず去る者追わず、そんな奴だもん」
「あっ、それ……中井くんが言ってたけど」
「最近中井と由美っちよく話すよね! いーかんじー?」
由美はその言葉に顔を赤らめる。可愛いよ、由美。天使だよ。
「えっと、溝渕くん最近遊んでないみたいって。女の人連れてるところ見ないって……言ってた」
「ほーう? ……ちょっと溝渕のこと見てみようかぁ、影から」
それって……
「告白を覗くってこと!?」
「しーっ……。真偽確認だって。よし、レッツゴー!」
ダメだよと私が言うのを聞こうとせず、教室を出て行く。