3-3:タイムマシーンを探せside裕太[ 8/11 ]
「っ!?」
「あぁ、そういや、花火」
平川が思い出したように言う。
僕は窓に近付いた。
窓から見える場所には、人が沢山立って空を見上げている。
次々と上がる花火。
「わぁっ! 綺麗っ!」
「ここなら人も全然いねぇし、絶景だし。穴場だな……フィナーレ後は学校立ち入り禁止って言ってたけどな。生徒教師どっちも」
「先生……それってうちら悪いことしてるんじゃ……」
……確かに。
「だーいじょうぶだって……あ」
「何を思いだしたんだ」
「……フィナーレ後は学校の鍵閉めるとか、言ってたな……」
だっ……
大丈夫じゃなぁぁぁい!!!!
閉じこめられるじゃん! それ!
みんな荷物もってフィナーレに行ってたもんね。
直行で帰れるように。
「で、出ようよ! 今なら間に合うよ!」
「大丈夫大丈夫。電気ついてるの気付いてくれるって。あ、ほら、こっち見てる先生いる」
平川が窓から顔を出して下を見ている。
……そのまま落ちろとか少し思ったり。
「ほら、こっち見て学校に入ってきた! 村田、が……」