俺ってよく誤解されるけれど、案外人肌って嫌いじゃない。
あの温かいような、ぬるいような、いい匂いがするような、スベスベした感触とか。時々ペタペタしてるときとかもあるけどな。(汗とかで)
兎に角人肌ってとても好いと思う。以上。
「…何、星降って気持ち悪い嗜好の持ち主なわけぇ?」
「……これって気持ち悪いのか?」
「少なくとも純粋じゃないよお」
胡座をかいている俺の足の間に座って、両腕で俺に包まれている西野空は悪戯っぽく笑う。やっぱ温かい。
軽くキスを落とした。柔らかい。
「でもそんな奴を好きな西野空だって気持ち悪い嗜好の持ち主なんじゃね」
「えぇ〜そうなのぉ?知らないよ、そんなの。考えたこともないよぉ」
西野空も軽くキスを返してきた。
「あ」
と、西野空が声をあげた。何か思い当たるところがあったらしい。
あ、枝毛。
透かさず床にあったクシで西野空の髪を梳いてやった。相変わらず猫毛だ。
「あー…嗜好っていえば…僕の場合は星降だねぇ」
「は?」
思わず手を止めた。
西野空はもぞもぞと体を動かしたかと思うと、這うように俺に抱き付いた。
「!」
「星降大好きだからさぁ。例えばさぁ」
西野空が俺の髪を一束掴む。
「桜色の髪とかさぁ」
西野空の左手が俺のこめかみに触れる。
「青い目とかぁ」
「白い肌とか、うなじとか、鼻筋とか唇とか、細い指とか…星降の一部だったら皆好きだよぉ」
やばい、心臓掴まれた。
「…それは俺の体液でも?」
「うんうん」
もう、何か息さえ苦しい。
「…はは、ならお前も俺と同じ」
「ぇえ?これって気持ち悪いの?」
西野空はそうゆうことには疎いから、ひたすら小首を傾げていた。
なかなか可愛いことを言うから、今度は深いキスをあげた。
愛情に浸るのです