強ち、空が一枚の板みたいだっていうのはハズレでは無いみたいだ。



「何かさあ」
「え?」
「空ってやっぱ、板みたいだな」
「はあ?」



唐突に何言うんだと風丸が眉をひそめた。あは、そりゃそうだな。自分でも上手く言えないし。俺は体を後ろに反らして、空を見た。指差して風丸に言う。



「空っていう板に、星をくっつけて、電気流して光らせてるみたいだよな」
「何だそれ。まあ、円堂らしい考え方だな」



クスクスと小さく風丸が肩を震わせて笑った。月光に照らされて、綺麗だった。水色の一本一本が反射して光った。



「…風丸は星が似合うな」
「え」



吸い込まれるみたいに俺は風丸の結われた髪に触れた。撫でる度に風丸の匂いがした。



「な、ん、だよ」
「いや、風丸綺麗だなあって」
「…っ、ほ、褒めても何も出ないぞ」
「いやマジで」



風丸がブワッと顔を赤くした。それからバッとそっぽを向かれた。必然的に俺の手から髪がスルリと逃げた。暫くは此方を向いてくれないのを俺は既に学習済みだから、諦めてまた星を見つめた。



「……」
「……」
「……円堂」
「ん?」



そっぽを向いたまま風丸は俺の手に自分の手を重ねてきた。鼓動が早まった。



「…お前は、流星にはならないでくれよ?」
「?」
「あー、要は…すぐにどっか行くなってこと、だよ」
「!だ、大丈夫だよ!俺何処にも行かないから!」



ぎゅっと重ねられた手を握ると、はにかんだように風丸が綺麗に笑った。それを見た瞬間心臓を叩き割られた感じがして、気がついたら俺は風丸の唇に自分の唇を重ねさせていた。
案の定馬鹿!と照れ隠しに叩かれた。
















ハートを叩き割れ

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