僕が意地悪く笑ってみせると、無表情が怯えたように僅かに瞳を揺らがす。
綺麗で奇麗な灰色の瞳。あーあ、欲しいな。その瞳も燃えそうで冷たい紫の髪もウレタンみたいな唇も、僕のにしちゃいたいなあ。駄目かな。ううん、駄目なもんか。
「僕、アルファが欲しいんだけどなあ」
「…NO、断る」
怯えていてもそこは変わらないんだね。そう、そう、そうなんだね。
ニイ、と僕が口元の歪みを深めた。
「いいよ、その方が面白いもんね」
「…面白がるものではない」
「君にとってはね」
「…。」
今度はにっこりに笑ってみせると、アルファの瞳がまあるくなった。
可愛い。
2012.04.30 (Mon) 09:46
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