霧野蘭丸を熟語に表すとしたら何ですか?
そう聞かれたなら俺は間髪入れずにこう言うだろう。
「平等」
思ったよりも不機嫌な声が出た。
「それとこれと、どう繋がるんだ」
と此方からも不機嫌な声色。
只今俺は霧野先輩を押し倒すようにのしかかっていた。何時もはキリッとした凛々しい表情をする小綺麗な顔も、今は眉間に皺が寄ってとてもそうだとは言い難かった。自分から仕掛けたのに少し空しくなったは内緒だ。
…救いは、霧野先輩の頬が少し赤いことだろうか。
「あんたは、誰にでも同じような態度とるけどさ、それってわざと?」
「はあ?」
眼前のスカイブルーが丸まった。所謂ヤンデレとかいう奴はきっと今なら目玉抉り出せそうだなんて言うんだろうけど、生憎俺はヤンデレでは無いからそんなことは思わない。綺麗だとは、思うけど。
丸くなったスカイブルーにぶつけるように俺の口が言う。
「誰にでも、誰に対しても、友人にも監督にも大体同じ態度」
「え、ちょ…!」
「それは恋人にも、同じなわけ?」
密度を詰めるように体を密着させて追い詰めると、鼻先の先輩が慌て始めた。それを横目に柔軟に足を絡めてみるとブワリと赤くなる頬が其処にあった。
かじったら美味しそうだ。
「ねえ先輩、先輩は何時まで俺を嫉妬させるの?」
「や、やめ、…ろって…!」
そう言えばさっきから先輩は俺の言葉に対して言葉を投げ返してくれていない。そう思うと何だかやるせなくなってくる。
ボツになっちゃった文章
供養したんだよ、うん
2012.04.10 (Tue) 21:51
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