霧野は精神的に参ってくると、よく俺の肩口にグリグリと頭を擦り寄せてくる。理由は教えてくれない。

「あのさ、霧野は知らねえだろーけどさー」

また頭を擦り寄せてくる霧野は聞いているのか聞いていないのかは分からない。けど話し掛けるように無造作に言う。

「これ地味に痛いんだけど」
「………今まで何も言わなかったんなら、別にいいってことだろ」

いや、少しは考慮してくれよ。悲しいことに体格的にお前のがデカいんだから。
呟くと霧野が腕を這わせて俺を抱きしめた。まあ、一方的だけどそれも時間の問題だろうな。

「…面白いことにさ、」

不意打ちに霧野が囁いた。ん、と鼻にかかる声を洩らす。

「俺が精神的に参ってるとき、大体倉間も参ってるんだぜ?」
「…嘘つけ」
「調べてたんだ、今まで。間違いない」
「…だとしたら気持ち悪いな」
「そんなこと言わずにお前も甘えてこいよ」

こちらを見詰めるスカイブルーが挑戦的に笑った。
…笑顔のチョイス間違ってるだろ。




2012.03.28 (Wed) 11:54


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