「お前見てるとさ、『殺したい程好き』って、本当にあるんだなって思うんだよな、うん」
「…霧野、人間の歯には殺傷能力は無いぞ」
「ああそうだな。でもだからいつもこう思ってる」

霧野の瞳からふっ、と光が息絶えた。

「俺の歯が全部犬歯だったならなあってさ。神童の皮膚を剥いで、剥き出しの肉を犬歯で引き裂いて咀嚼して咀嚼して…この舌で喉に送る。喉を通って胃に送って、俺の胃液でその肉を消化してさ。その肉を栄養として、糧として愛として、取り込むんだ」

素敵だと思わないか?と問い掛けてきた霧野に、俺は到底賛同出来なかった。
第一痛いじゃないか!




2012.03.24 (Sat) 14:09


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