夢を見ていたいんです。在り来たりなものでいい。飛び切り甘い、甘美で幸せな夢を見ていたいんです。
「馬鹿だな。そんなの逃げと変わりっこねえよ」
「…知ってます。でも少しだけでいいから、」
「甘い味を知ったら最後。あっという間に呑まれるぜ」
リアルなんていらない。俺は欲しくない。欲しがってなんかない。
それでもこの先輩は皿に現実を乗せてやってきて、俺に差し出すんだ。
2012.03.17 (Sat) 14:04
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