彼はよく燃やす。『燃える』のではなくよく『燃やす』。色んなものを糧に、材料によく燃やす。自分には火傷一つないのに。
あるとき聞いたことがあったか。『熱くないのか、苦しくないのか』。彼は綺麗な笑顔を浮かべて貼り付けて張り付いて

「まさか」

と一言返した。楽しそうで何よりだな。
友人だろうが後輩だろうが他人だろうが関係ないのだ、あいつには。
俺であろうと彼自身だろうと彼女だろうと。区別の必要はないと、また彼が言う、あいつが言う。
あれは誰か?そんなものは愚問だとこの身が一番知っていた。

「紛れもない、彼が霧野であるだけだ」

ただ俺が誤解しているだけで誤解しただけで。期待してしまっただけで期待してしまっているだけで。




2013.05.22 (Wed) 07:43


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