「幾度となく、」

化け物と魔女と、呼ばれた彼が急に口を開いて笑った。らしくもなく、愉快そうに。

「色んな奴が俺を消しにきたよ」

俺は切っ先を構えたままだった。愉快なまま、彼は言う。

「一般人、殺人鬼、村人、お前みたいな暗殺者、とかな」
「ふん、あんたはそんな奴ら相手に死ぬ程甘くねえだろ」
「All right.(その通り)」
「勝手に死なれちゃあ困ります」
「そうだな、そうだろうぜ」

笑みがパッと消えた。

「虫酸が走るな、管理されるだの保管だの保護だの」
「…死にたがりな南沢さんが死にたいって思うのも分かりますけどね、あんたはその対象から一生逃げられませんよ」

その通りだと、彼の目達が悲しそうに伏せられた。南沢さんも上手く生きているようでそうでない。





2013.04.15 (Mon) 07:37


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