「…何やってるんだよ」
「…お、よう一乃」

昼休みに食事をとろうといつものようにトモダチを呼びに来た。が、青山は俺にも気付かず窓の外を見つめていた。まるで観察でもするような目で。

「…お前また…」
「ご飯もうちょっと待ってくれよな」

窓の外、の、ある一本の生い茂る木の下。に彼女達はいた。女の子と男子。つまりはそういう甘酸っぱい状況であった。
それを青山はいつも観察しているのだ。二年の教室からよく見えるのをいいことに。やれやれ困ったトモダチだよ。

「これは研究者として非常に興味があるよなあ」
「人の色恋沙汰を…」
「恋愛ってそういう意味で凄く価値があるよなあ…したことはないけどさ」
「恋ってなんだろうなあ」
「そうだな」

恋って何だろう。
若い研究者と俺にはまだ分からない。

「じゃあ実験として俺と恋してみる?」

何を言ってるんだろう。青山の額にデコピンをしてやることにした。
(でもまあ付き合ってやらないこともないよ。トモダチだし)




2013.01.29 (Tue) 08:41


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