「君の剣と俺の刀、どちらが強いのかな」
突然彼には不釣り合いなことをその彼が言ってきた。
「そんな小さなことが気になるんですか」
不機嫌な声が出た。だってそうだ、小さい。愚問ともいうべきことだろう。
「小さい、か。そうだな、君からしたらそうかもしれないな」
「貴方にとっては大事なことなんですね」
「ああ、そうかもしれない」
「けれども」
「俺は病死などで終わりたくないんだ」
血の匂いがまた空気に絡まる。代わりに俺の血の気が引いた。
「君、俺を終わらせる気はないか」
2013.01.18 (Fri) 07:45
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