神童先輩はあれだ、倒しても倒してもその力に反発して起き上がるあれ。あれ何ていうんだろ。だるま人形?重り人形?まあ名前なんて大したものでもないからいいけど。

「神童先輩は誰にでも何をされても起き上がり続けるんですね」
「…」

力無く肩で呼吸をするその先輩は返事の代わりに首を縦に動かす。
うん、でもそれは、相手が手加減してくれてるからなんですよ。本気を受けたことがあるとした上でそう言ってほしい。俺はもう一度緩めていた糸を締め付けた。首を重点的に体中に巻かれた糸が締まる。

「ぐ…、」

神童先輩はまた苦しそうに息をつく。こんなことされても平然と俺をチームメイトとして扱うだなんて一体全体どういう神経をしてるんだか。

「わけ分かんねえよ」
「…っ、……絶対、…っ…」
「…何ですか」
「…………お前は、俺を殺さない、よ…っ」

前にもいつも、神童先輩は俺を信じていると言った。




2012.12.11 (Tue) 08:41


prevnext






「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -