「三国ー」
珍しい。
気さくではあるものの露骨に甘えたになるタイプではない瀬戸が、今日はやけにくっ付いてくる。俺の背中に頭を預けている。その頭を揺らさないように背中を見た。
「どうした?」
「あはっいや、何もないんだけど…ただこうしたくてさ」
すり、と頭が動いた。間を置いてまたすり、とすり寄ったのを見計らってゆっくりその頭に手を乗せた。それでも瀬戸の体が小さくビクッと震えた。少し申し訳ない気持ちになったが、そのまま安心させるように撫でた。
「よしよし」
「………う…」
背が高めな瀬戸が小さくなる。
さて、一体彼女は何度頭を撫でられたことがあるんだろうな。
蜂蜜色のそれはきっと
2012.12.03 (Mon) 17:02
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