「僕さ、割と半田のこと怖いって思ってんだよね」

そして入れ立てのコーラを一口。コイツは瓶入りを好き好んで飲む。俺は流されつつもこれが好きで、好き好んで飲んでいる。しかし話が分からない。舌を刺激する炭酸の泡が分からない分からないと言っている。何だ、お前もそんなこと思うの。安心した、でも読めないな、それ。お前らしくない。

「確かに君って個性が普通って考えれば大したことじゃないよ。そりゃあね」
「いただけねえ…」
「促したの君。まあそう考えればの話ね。逆算すれば怖いね」
「個性がないのが?」
「スタイルがないとか言いたいわけじゃないけど、警戒されないのが怖いよね。されないっていうか、出来ない」

できない?警戒する必要もないだろ?俺は喧嘩とか論争だとか好きじゃない。丁度コーラが喉に残って口からは空気しか吐けない。

「爆弾と同じ。まあ本気が怖いというかさ」
「は?」
「他人のスタイルだとかを呑み込める容量が空いてる、可能性に範囲が指定されていないんだよね」
「それって強みか?」
「強み、というかさ怖い、かね」
「怖くないぞ、寧ろ嘗められてるぞ」
「そうかもだけど、モブって怖いよ。半田は好きだけど無っていうのは怖い。」

ああ、あれか。ものは使いようってやつ?

「そうだね、『無い』ことが『弱い』わけじゃないから。」

気を付けてねと口パクで言う松野はどこか楽しげで怯えている。














君は何にでもなれる
今でも松半好きです。普通は何かと可能性を秘めていて恐ろしいものである。




2012.11.11 (Sun) 22:50


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