何故だか急にこの後輩はやってきた。それから少し含みのあるように微笑んだ。

「貴方の魂を迎えにきたんです」

そしてそう言われたのだ。

「…意味分からないんだけど」

暫く考えも纏まらず返す言葉も上手いものが見つからず、結局絞り出したのはそれだけだった。当の神童はきょとんと不思議そうな顔をして

「だから貴方の魂をあがりに」

と同じようなことを言った。問題が解決されていないことに気づいてないらしい。

「お前さ、ハロウィンは祖先の魂をお迎えするとか何とかいうイベントだからってそういう妙なこと言うのやめろって」
「妙?そうですか?おかしいな…」

そうまた笑うと足音なく俺の鼻先に顔をやった。何時の間にか移動したんだ、とは思った。思ったがそれどころじゃあない。

「だって俺そうしないと存在意義を果たせません」
「は…?」
「俺はずっと貴方の魂を食べるためだけに生きてきたんですよ、拒むのはフェアじゃないです」

気味悪く笑う神童からバチバチと弾ける音がする。嗚呼本気だなんて思ったときには、虎視眈々とずっと俺を狙っていたであろう牙とシナグルが眼前に





「お帰りなさい、南沢さん」
「それから、」
「Happy Halloween」

…ハッピーエンドなわけあるかよ。














ハロウィン拓南!




2012.10.31 (Wed) 10:17


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