自己犠牲。
私が自分を捨てれば、お嬢様は幸せになる。なら私は迷わず自分を捨てます。迷う必要もない。愚問。愚問に過ぎぬ。極まりない愚問だ。

けれども。いえ、本来ならここに逆説など置いてはいけないのでしょう。従者に口答えは不必要なのですから。
しかし密かに、幽かに、私は貴方を責めてしまうことがあるのです。どうして私の思いが届かないのですか、と。
どうしても、私では駄目なのですか。

「駄目に決まっている。なんて浅ましいことを、分かっているだろう」

分かっている。私は重々分かっている筈、なのに、どうして。
情けない、呟かなければ揺らぎそうだなんて。














この二人好き。





2012.10.24 (Wed) 18:44


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