「痛くねえ」
「あ?」
「痛くねえっつってんだ」

痛くない。痛くないと、この藍色は言った。おかしい。そりゃおかしい。確かに肋に入れた。確認した。確かに入れた、のに、こいつ。

「痛くないってお前アホなの」
「事実だ」
「痛そーなの入れたじゃねえか」
「痛くない。本気じゃないな、お前」

その藍色は涼しそうに諦めたような顔をした。何だよ、何か文句でも?

「……文句でも?」
「この場に失礼極まりないな」

…へえ、言うな。
そう言っても思っても尚後二発くらいで終わりかとか思ってる俺はなかなかいただけない奴だ。




2012.10.23 (Tue) 07:34


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