どんなに神童を怒っても憎んでも、俺はきっと何もしないんだろう。何も、出来ないんだろう。傷つけることも出来ない。
彼が細い指先を切ってしまっただけでも直視出来ないというのに、傷つける?俺が?
我ながらおこがましい。
あの脆そうな肌や目や足も何処も傷つけられない。『神童の』と付け加えられるだけで一気に俺は無力化される。

「惨めだな、俺」

無力な俺は神童にぶつかれない。




2012.09.15 (Sat) 20:58


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