舌の上の僕の味覚の噺
2012/05/20 14:26

何時も思うことだが、思ったよりも僕は冷たい奴なのだろうか。
冷たい、とだけ思うわけじゃない。そこには馬鹿だとか泣き虫だとか優しいとか、そんな言葉が入ったりすることもある。自分なのだから自分を一番理解しているのは紛れもなく自分だ、案外生憎そうでもない。
自分じゃ分からない。どうしてそんなに嫌いじゃない人と話すのにこんなに苛立つんだろう、何でいけ好かない人と話すのにこんなに親切なんだろうか。そんなことがよくある。ありふれている。溢れている。
人間は機械ではないから決まった行動をするわけじゃない。だから不規則には興味も湧くし怖くもなるのだ。自分は人間だから。かくして人間は感情、心情と同期することは出来ない。その恐怖を分かち合いきれない。一口にその恐怖といっても差異がある。
僕は怖い。人間は好きだが時として無機物のようになるときがある。僕は恐怖する。泣けない僕に恐怖する。怒れない僕に恐怖する。優しくなれない僕に恐怖する。嫉妬する僕に恐怖する。
僕は人間が怖い。けれど人間は好きだ。
こう考えると人間は矛盾だという、誰とも共有し難い途中結論に降り立つ。

しかし、人類違ってこそ、世界は色を持つことを、未熟ながら理解している。ぶつかってこそ、面白いが生まれる。
恐怖しながらも、僕はそう考えている。



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